気になった本 Vol.204昨日Googleに表示された書籍の記事が気になって、今夜は普段行くことのない書店のビジネス書の棚の前に立った。2022年に日本でも発売されたこの翻訳本は、私の手元にあるものですでに13刷。きらきらとした表紙カバーが掛けられた不思議な佇まいを醸し出す本だった。読み始めてみると、著者は台湾出身の女性だということがわかった。ビジネス書だからさらっと読んでしまおうと思っていたのだけれど、冒頭の数ページを読んだだけでその内容が配慮に満ちており「なんだかこの人好きだな」と思い、ゆっくりと大切に読み進めることにした。文は人なり。15Oct2024
自然とは Vol.203なぜかまた偶然観てしまったNコン。中学生の部の金賞は東北ブロック代表の北上市立上野・飯豊・南・東陵・北上北・北上中学校だった。岩手県北上市の六校合同チームで放課後すぐに練習することができず保護者の方に送迎をしてもらいながら夜遅くに集まって練習をしていたという。そして、驚いたのが指揮者を立てず、左右の生徒同士で目を合わせて息を合わせる演奏だった。彼らの演奏はまるで1人の声のように揃っていて、表情も自然。言葉の意味が素直に伝わったのが印象的で聴くというより、引き込まれるステージだった。このところテレビで何度も聴いた中学校の部の課題曲は「僕らはいきものだから」。自然の本質は絶え間なく変化することにある――そんな言葉を思い起こさせる歌詞と1...14Oct2024
考える時間 Vol.202先日、NHK全国学校音楽コンクール関東甲信越ブロックの様子をテレビで放映していた。自分も小学生の頃から参加していたこともあり何気なく観ていたのだが、県大会とは違った精度の仕上がりにいつしか聴き入っていた。受賞校が決まって、客席での全体合唱となったときに、画面にマスク姿の生徒がちらほらと映り、はたと気づいた。人が一堂に会して声を出す彼らの活動は、何年も前からずっと新型コロナの影響を受けていたのだ。家から出られなくなり、人の顔を見ることができなくなり、経済活動が止まり、生命への不安を感じていたあの時。我々のかつてのルールやシステムは役に立たなくなり、細い穴に糸を通す可能性を探るかのように、どうしたらいつになったら世の中を動かすことができ...08Oct2024