聴く Vol.232

ふと思い出したこと。

だいぶ前のことになるが
仕事帰りや休日に
カウンセラー養成講座に半年間通っていたことがあった。
それは、父が亡くなった直後のことだった。

当時から編集の仕事は好きだったので
どうしてもカウンセラー職を目指したいという気持ちではなかったが
自分のメンタルを調整するためにも学んでみたいと思っていた。

講座は心理学とは少し違っていて
理論とともに実践で技術を学ぶものだった。
実は、そこで学んだ傾聴の態度や技術は
今でもインタビューや取材をする上で
とても役に立っている。


私の仕事は、その日初めて出会った人に
「あなたの人生で一番心に残っていることを教えてください」
と言うような仕事だ。

そのように人の大切な部分に足を踏み入れるときには
せめて真摯な態度であるべきだと思う。
そして
その人が発する言葉を可能な限り誤差なく受け取ることに
細心の注意を払うべきだと思うのだ。

世の中には人の話しを本当の意味で聴くことのできる人は少なくて
我も我もと話しをしている人がとても多いように思う。
そんなことを言いながらも
友人などには自分も一方的に話してしまうことがあるのだが。
そんなときであっても
話しを最後まで聴いてもらえると
とても嬉しく感じる。


聴くこと。
聴いてもらうこと。

それだけで
人との会話は楽しくなるように思う。

Ki・Ma・Ma いつもの日々 with camera

ANTIQUE × Camera 変わらないのがいい、いつもの日常。