仕事では取材に行ってインタビューをさせていただくことがある。
その相手は有名な方の場合もあるし、企業で働く方の場合もある。
私はその方に向かってテーマに沿った質問をしていくのだが
その中に、必ず入れておく内容がある。
それは
「これまで仕事をしていて一番嬉しかったことはどんなことですか」
「お客様とかかわるなかで一番嬉しいと感じるのはどんなときですか」
といったものだ。
「重要なこと」や「価値を感じること」ではない
「嬉しかった」「悲しかった」ことだ。
その日、初めて会ったばかりの私に
人生で一番嬉しかったことや悲しかったことを聴かれるのだから
聴かれた方は、必ずしばらく考え込んでしまう。
だが、その時には
こちらからその場を和ますための話題を振ることはしない。
その方の一番深い場所から
ご自身の大切な記憶を引き出してくれるのをじっと待つのだ。
1つの記事を作るときに一番入れたいものは
心が動く想いだ。
その心からの偽りのない言葉だけが
読者の心をも動かすと信じている。
あまりに大切なエピソードを話してくださって
その場にいる私が泣かないように我慢することもある。
どんな人でも心の奥底に想いを持っている。
情報を伝えることは大切だけれど
その人の真の想いを正確に伝えることが
記事の核心だと思っている。
0コメント