外堀通り Vol.79

たまたまテレビを点けたら、外堀通りの雨に濡れた道路を
パラマラソンの選手が走っていた。

「そうか、パラリンピックでは東京を走れたのか」
オリンピックではマラソンを札幌で開催すると聞いたときに
「パラリンピックは?」
と思ったのだけれど、すっかり忘れていた。

テレビに映っていたのは
本来なら世界中に見てほしかった東京の街。
それも、熱狂の中ではなく
日曜日のまだ人々が目覚めていない、静けさに包まれた日常だった。

偶然見たのが、外堀通りだったからかもしれないけれど。


その画面を見て
これでもかというくらい問題が起こり
何もかもができなくなった東京2020大会だったけれど
最後の最後に1つだけ
オリンピックでできなかったことを
パラリンピックが叶えてくれたように感じた。


時々映り込む見知った街並みを確認しながら
観たマラソンはこれまで観てきたものではなく
はじめて観る競技だった。
いくつものクラスが同時に走るスタイルや
伴走者の動きなど、驚くことばかり。
詳しすぎる解説に笑ったり、泣いたり。
忙しいマラソン鑑賞になった。


パラ水泳を観るはずだった東京アクアティクスセンターには、
いつか行くことができるのだろうか。

明日から少しさびしくなるけれど
本当に受難続きの東京オリンピックだったので
何よりも無事に終わってよかった、と思っている。


Ki・Ma・Ma いつもの日々 with camera

ANTIQUE × Camera 変わらないのがいい、いつもの日常。