銀杏 vol.54

今月は美しい月だった。誕生月でも何でもないのだけれど、11月はお気に入りの月だ。

県立美術館の通りには、ちょっとだけ銀杏並木があって、少し前にはベンチに腰掛けてスマホを手に枝を見上げる人の姿があった。もう紅葉のシーズンは過ぎて、葉っぱもだいぶ落ちてしまったはずだ。


そうそう、銀杏(いちょう)と銀杏(ぎんなん)は、同じ字を書く。銀杏(いちょう)並木の歩道を歩くと銀杏(きんなん)の香りがして、とても懐かしい気持ちになった。


今夜は満月だそう。昨夜も月は明るくきれいに見えていた。暗くなってから訪れたお店の大きな窓からよく見えて「ここからは月がよく見えて、すごくきれいですね」とお店の人に言いたかったけれど、忙しそうだったので我慢。


11月もあと数時間。12月になると途端に気持ちが急いてくるはずだ。あと少しを満喫しながら、淡々と過ごす、そんな1日。

Ki・Ma・Ma いつもの日々 with camera

ANTIQUE × Camera 変わらないのがいい、いつもの日常。