こぼれおちるもの Vol.254

先月のこと。

SNSにそれまで万博の話をよくしていた息子さんが
閉幕以降はまったくその話題を口にしなくなった
というエピソードを書き込んでいる人がいた。
「もう熱が冷めてしまったのかな、あっさりしているな」と思って
そのことを聞いてみると
息子さんのこたえは
「だって万博の話をすると泣いちゃうから」だったという。

私は、この話がそれからずっと心の中にあったのだけれど、
うまく言葉にすることができなかった。
それは、この話の続きにはどんな言葉もふさわしくないことを
心の奥底で感じていたからかもしれない。

簡単な言葉に置き換えることで、こぼれおちてしまうなにか。
その何かのほうが
よっぽどたいせつなんだよ。 

Ki・Ma・Ma いつもの日々 with camera

ANTIQUE × Camera 変わらないのがいい、いつもの日常。