記憶 Vol.228

「家族よりも一緒にいる時間が長いのだから、職場の人は大切だ」
 その人はそう言った。

今日は
いくつもの記憶が
体からこぼれ落ちては
消えていくような心持ちがしていた。

たぶん、ひとは
人生の中で出会ったたくさんの人の影響を受けながら
それを血肉にして形づくられていくのだろう。

そして時々
「またこの人と仕事がしたいな」
と思う人と出会って
嬉しく感じたりするのだ。

そうだ
その人は
私が一緒に仕事をしたいと思った人だった。

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夜、車で通りの向こうのコンビニに行くと
12時で閉店の様子。
そうか。ここは24時間営業ではなくなったのだった。

そして
目的地も定まらぬまま車を走らせた。

どこか少し遠くまで行きたい気持ちだ。


街を抜けて
夜景の見える道路へ行ってみようか。


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テレビの存在に疲れていた今日だからか

古着の話をするアーティストの声がラジオから流れてくると
なんだか安心できた。

 

 「人間は多面体なんだ」
私は時折
昔、同期の子が言っていたこの言葉を思い出す。


生きている。

まだ、こぼれ落ちて消えることのない言葉だ。


Ki・Ma・Ma いつもの日々 with camera

ANTIQUE × Camera 変わらないのがいい、いつもの日常。