いつだって
文章は、混沌の中から生み出される。
その作業は
大小さまざまな物体や
名前のない色をした流動体が混ざり合った状態から
同じ色や形をしたものを取りだして
きれいに粒を揃えて並べていくようなイメージだ。
整然と並んだ文章は
心地よく
いい響きで
人々を陶酔させる。
しかし、
それは決して
原初の混沌とイコールではなくて
我々は
あの混沌を表す言葉がないことを嘆いたりするのだ。
この「文章」は
たとえば「数式」や「モノの名前」
「秩序」にも置き換えられるのだと思う。
混沌の対義語は秩序だと言われるが
いつだって
混沌よりも秩序は小さくて。
実際の混沌は
とほうもなく大きい。
そして
秩序はわりと簡単に
もとの混沌の中に戻ってしまうように思えるのだ。
0コメント