不等号 Vol.222

いつだって
文章は、混沌の中から生み出される。

その作業は
大小さまざまな物体や
名前のない色をした流動体が混ざり合った状態から
同じ色や形をしたものを取りだして
きれいに粒を揃えて並べていくようなイメージだ。

整然と並んだ文章は
心地よく
いい響きで
人々を陶酔させる。

しかし、
それは決して
原初の混沌とイコールではなくて
我々は
あの混沌を表す言葉がないことを嘆いたりするのだ。


この「文章」は
たとえば「数式」や「モノの名前」
「秩序」にも置き換えられるのだと思う。


混沌の対義語は秩序だと言われるが
いつだって
混沌よりも秩序は小さくて。

実際の混沌は
とほうもなく大きい。

そして
秩序はわりと簡単に
もとの混沌の中に戻ってしまうように思えるのだ。




Ki・Ma・Ma いつもの日々 with camera

ANTIQUE × Camera 変わらないのがいい、いつもの日常。