未知 Vol.155

今日は少しだけ仕事に関する話を。

これまでいくつかのジャンルの書籍や雑誌を担当したが
図鑑や自然科学系の学術誌を発行する出版社で
昆虫の雑誌と考古学の雑誌の2誌を担当していたことがあった。


日本史を専攻していた私は
その考古学雑誌については知っていたのだが

昆虫の学界については
はじめて知ることばかりで新鮮だった。


昆虫では

遠方から編集会議に来たチョウの先生が
「さっき公園で網を振ってきたよ」と楽しそうに話していたり

学会はプロとアマチュア研究者の両者で構成されていたり

国境を越えて渡りをするチョウの研究が行われていたりと

魅力的な出来事がいろいろあった。


なかでも昆虫の論文に携わっていて感銘を受けたことに
科学者の視点があった。

世の中には
まだわからないことがたくさんある――。


世界では約95万種、日本では約3万種の昆虫が見つかっており
毎年新種が発見されているが

地球上には200万種以上の昆虫がいると言われている。

その膨大な数と自然界の驚異を思えば
たった数十年のヒトの人生では
研究し尽くすことができないことは明らかだ。

その中で、何をするか。

研究は未来へ受け継がれていくもの。


きっとこのような科学者の視点は
自然科学に限ったことではないだろう。


自分が生きている間には決して完成することのない建築物を設計したアントニ・ガウディ。

“世の中に新たな創造などない。あるのはただ発見である”
の言葉に同じ視点を見る。


数十年で何ができるのか。

あと数日で2023年が半分終わる。
とりあえず、今年の終わりに“今年はこれをした”と思えるように
あと半年を過ごしたい。



Ki・Ma・Ma いつもの日々 with camera

ANTIQUE × Camera 変わらないのがいい、いつもの日常。